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【シネマ時間 vol.12】映画でグッと身近に!「難民問題を考える」映画3選!

2018/03/28
アミューあつぎ
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アミューあつぎ映画.comシネマのプログラム・ディレクターが、様々なシーンにおススメの映画をピックアップ。ゆっくり、のんびり、映画についてお話ししませんか?

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こんにちは!アミューあつぎ映画.comシネマの神山です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。

世界中で大きな課題となっている難民問題。私たちも連日ニュースで見かけるようになりましたが、日本にいるとどうしても「遠くの国の話」と捉えがちになってしまい、知りたいと思っても、その実態に触れることは難しいですよね。

しかし映画を観ることで、この問題について考えることは可能です。実際、近年のヨーロッパでは難民問題を扱う映画が急増しており、作家達の問題意識の高さをうかがうことができます。

そこで今回は、「難民問題を考える」映画をご紹介します。
決して難しい内容ではなく、作品としても素晴らしい映画を集めましたので、純粋に映画を楽しみながら、でも何かを考えるきっかけにしてみてください!

『ソニータ』


©Behrouz Badrouj

アフガニスタンのタリバンからイラン・テヘランへ逃れてきた難民のソニータは、パスポートも滞在許可証も持たない不法移民。彼女の夢は有名なラッパーになることだ。しかしイランでは女性が歌うことは許されない。
さらにアフガニスタンに住む母親は、古くからの習慣どおりにソニータを見ず知らずの男性に嫁がせようとするーーー花嫁の“値段”は9,000ドル。それは家族にとって重要な生活費でもあるのだ。
母親から迫られる強制結婚から逃れるため、そして有名なラッパーになるという夢を追うため、16歳の少女ソニータは自らの人生を歌うことで切り拓こうとする。

自ら運命を切り開いていく少女の姿、あっぱれ!

まず強調したいのは、ソニータのラップパフォーマンスは最高であるということ。少女が頑張ってラップする姿を見せられる映画…なんて思っていたら大間違いですよ!彼女は才能あふれる立派な若きラッパーです。
そもそも監督がソニータを初めて知った時点で、彼女は既にMVを1本完成させていました。その才能に魅せられ、彼女の夢を叶えるためになんとか助けになりたいと、監督は映画を撮ることを決意したのだそう。私はこの運命の出会いに拍手を送りたい!
ソニータは難民である自身の立場や経験、「強制婚」という自国の慣習に対して溢れる感情を詩に表していきますが、それは決して限られた人々にのみ通じるものではなく、一人の女性として人間として、とても共感できます。そして何よりその表現力!強い意志と純粋さから放たれる彼女のパフォーマンスに、圧倒されて仰け反ってしまいました。
夢を追いかけたいと願うソニータの前には様々な困難や葛藤が立ちはだかり、私たち観客も現実を突きつけられます。それでも周りの大人たちを巻き込んで前に進もうとする彼女の姿に賞賛を送らずにはいられません!

予告動画

アミューあつぎ映画.comシネマにて4/13(金)まで絶賛上映中!

「ソニータ」|映画.comシネマ

『希望のかなた』


©SPUTNIK OY, 2017

内戦が激化する故郷シリアを逃れた青年カーリドは、生き別れた妹を探して、偶然にも北欧フィンランドの首都ヘルシンキに流れつく。空爆で全てを失くした今、彼の唯一の望みは妹を見つけだすこと。ヨーロッパを悩ます難民危機のあおりか、この街でも差別や暴力にさらされるカーリドだったが、レストランオーナーのヴィクストロムは彼に救いの手をさしのべ、自身のレストランへカーリドを雇い入れる。そんなヴィクストロムもまた、行きづまった過去を捨て、人生をやり直そうとしていた。それぞれの未来を探す2人はやがて“家族”となり、彼らの人生には希望の光がさし始めるが…。

カウリスマキ監督が、難民問題に真っ向から対峙する!

待望のアキ・カウリスマキ監督最新作!でも、あれ?【難民三部作】?【港町三部作】ではなかったかしら??—カウリスマキ監督は前作『ル・アーヴルの靴みがき』から【港町三部作】の制作を公言していたのですが、2017年ベルリン国際映画祭で本作が銀熊賞(最優秀監督賞)を受賞した際のインタビューにて、嘆きとともに「三部作の名前はもう港町でなく、難民三部作だ」と話しました。それはますます混乱していく社会へのメッセージでもあると思います。それを踏まえなくても、本作では監督の「怒り」のようなものを感じる、今日のヨーロッパ各国で起きている不寛容さをダイレクトに表現しているシーンが多く見受けられました。
とはいえカウリスマキ節は健在。どこを切り取っても美しい写真になる画づくり、ゆるくて素朴なコミカルさ、ミニマルな動きと目で語るキャラクター、そして映画全体を彩る渋い音楽(カウリスマキ作品ではお馴染み、篠原敏武も!)。日本人だからこそ笑えるエピソードも満載!実際、ワサビは監督の好物だとか。
そして何より、人間が持っている優しさや思いやりの感情。監督は「人間性」と表現しますが、それは国境や人種で区切ることのない希望であると感じます。
※【難民三部作】第一弾『ル・アーヴルの靴みがき』も同時期上映いたしますので、ぜひ合わせてご覧ください!
ル・アーヴルの靴みがき|映画.comシネマ

予告動画

アミューあつぎ映画.comシネマにて4/14(土)〜4/27(金)上映!

希望のかなた|映画.comシネマ

『はじめてのおもてなし』


©2016 WIEDEMANN & BERG FILM GMBH & CO. KG / SENTANA FILMPRODUKTION GMBH / SEVENPICTURES FILM GMBH

ミュンヘンの閑静な住宅地に暮らすハートマン家のディナーの席で、母アンゲリカは難民の受け入れを宣言。教師を引退して生き甲斐を見失った彼女は、夫リヒャルトの反対を押し切って、ナイジェリアから来た難民の青年ディアロを自宅に住まわせる。家族ははじめてのおもてなしに張り切るが、大騒動が起きてしまう。さらに、ディアロの亡命申請も却下に。果たして、崩壊寸前の家族と天涯孤独の青年は、平和な明日を手に入れることが出来るのか──?

明るく分かりやすく、難民問題を知るきっかけになる映画!

裕福だけど、それぞれに行き詰まりを感じているハートマン家の中に難民の青年ディアロが入ってきて、ドタバタ騒動が起きながらも家族には変化が訪れる…言ってしまえばありがちなコメディでもありますが、 “受け入れる側”としては欧州一の実績を持つドイツだからこそ描ける物語かも知れません。
2015年9月、メルケル首相が率先して門戸を開放し、現在までに100万人以上の難民を受け入れてきたドイツ。欧州他国と比べてもずば抜けて大きな数値です。この政策に対しては賛否両論あり、今までにも様々な変化はありましたが、国民が受け入れなければここまで大きな数値にはならなかったでしょう。現状、学生からお年寄りまで難民支援のボランティア活動は活発だそうです。
2015年の春に生まれた本作は、奇しくも現在のドイツはじめヨーロッパ社会への風刺としても捉えられるようになりましたが、政治的な問題としてではなく人間どうしの付き合い方の問題として(家族ですしね)描いているので、私たちにとっては分かりやすく、でもしっかり大切なことを考えさせてくれます。いわば「難民問題を考える入門映画」といえると思います。

予告動画

アミューあつぎ映画.comシネマにて4/28(土)〜5/11(金)上映!

はじめてのおもてなし|映画.comシネマ

アミューあつぎ映画.comシネマでお待ちしております

いかがでしたか?

実は日本でも、国連UNHCRが主宰する「難民映画祭」という映画祭が毎年開催されており(なんと入場無料!)、今回ご紹介した3作品も過去にこの映画祭で紹介されました。日本の映画館で観られるようになる作品はごく一部ではありますが、それでも近年は関心も高まりつつあり、私たちが上映できる作品も増えてきました。

私自身、3作品を通して、「世界はまだまだ捨てたものではないな」と思いつつ、同時に、「自分自身もその世界の一員なんだよな」「他人事と思うことはもうやめなければ!」と、考えるようになりました。
まずは知ること、その一歩を映画で踏み出してみていただけたら、嬉しいです。

それでは今回も、最後は大尊敬するお二人の映画偉人の言葉で…
映画って、本当に良いものですよね。
さよなら、さよなら、さよなら!

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noma ライター

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アミューあつぎ映画.comシネマ副支配人、プログラム・ディレクター。映画も、三度の飯もデザートもお酒も大好きです。厚木を拠点にした「地域共生型映画館」という新しいスタイルの映画館づくりに奔走中。

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