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【シネマ時間 vol.11】ますます面白い!“骨太”邦画3選

2018/02/28
アミューあつぎ
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アミューあつぎ映画.comシネマのプログラム・ディレクターが、様々なシーンにおススメの映画をピックアップ。ゆっくり、のんびり、映画についてお話ししませんか?

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こんにちは!アミューあつぎ映画.comシネマの神山です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。

毎年この時期になると、ハリウッドではゴールデングローブ賞やアカデミー賞のノミネート&受賞結果に注目が寄せられたり、ベルリン国際映画祭で世界中から集められた良質な映画が発表されたり(『リバーズ・エッジ』が国際批評家連盟賞を受賞しましたね!)、日本でも様々な映画賞が発表されて、映画界には煌びやかな話題が溢れ、沸き立ちますね。

そんな中で、今回はたくさんの日本映画賞で高い評価を得た作品を中心に、「骨太な邦画」をご紹介します。まだまだ、いえ、“ますます邦画は面白い!”と感じていただけること、間違いなし!?さっそく行ってみましょう!

『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』


©2017「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」製作委員会

看護師として病院に勤務する美香は女子寮で一人暮らし。日々患者の死に囲まれる仕事と折り合いをつけながら、夜、街を自転車で駆け抜け向かうのはガールズバーのアルバイト。作り笑いとため息。美香の孤独と虚しさは簡単に埋まるものではない。建設現場で日雇いとして働く慎二は古いアパートで一人暮らし。左目がほとんど見えない。年上の同僚・智之や中年の岩下、出稼ぎフィリピン人のアンドレスと、何となくいつも一緒にいるが、漠然とした不安が慎二の胸から消えることはない。
ある日、慎二は智之たちと入ったガールズバーで、美香と出会い…。

詩集から生みだされた、深く濃い映画体験

原作は1986年生まれの詩人・最果タヒ。脚本・監督は1983年生まれの石井裕也。私にとっては同年代の二人が生み出したこの映画に、観終わった後も長いこと揺さぶられ続けてしまいました。それはたぶん、私もこの映画の中に生きていたからなのかな、と思います。舞台は現代の東京で、言い知れぬ孤独や不安を抱えた繊細な男女のストーリーではありますが、決して東京で生きている人の話ではなく、場所も世代も問わず「今」を生きている人が描かれた映画、そんな風に感じました。
私は映画を鑑賞するとき、あまり積極的に原作には触れないのですが、本作に限っては映画鑑賞後に原作を手に取らずにはいられませんでした。原作は詩集であり、映画の主人公である美香も慎二も出てきません。石井監督は、詩集を元にまったく新しいストーリーを創り出したのです。でも、根底で感じる波動や色合いは確かに詩集と重なっていて、それを感じるのがとても面白かったです…今までにない映画体験でした。
なので、本作においては、皆さんにも映画と原作両方に触れていただくことを強くおすすめします☆彡

予告動画

アミューあつぎ映画.comシネマにて2/24(土)〜3/9(金)上映!

「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」|映画.comシネマ

『あゝ、荒野【前編・後編】』


©2017「あゝ、荒野」フィルムパートナーズ

ふとしたきっかけで出会った新次とバリカン。見た目も性格も対照的、だがともに孤独な二人は、ジムのトレーナー・片目とプロボクサーを目指す。おたがいを想う深い絆と友情を育み、それぞれが愛を見つけ、自分を変えようと成長していく彼らは、やがて逃れることのできないある宿命に直面する。幼い新次を捨てた母、バリカンに捨てられた父、自身の過去を捨て新次を愛する芳子、社会を救おうとデモを繰り広げる大学生たち…。
2021年、ネオンの荒野・新宿で、もがきながらも心の空白を埋めようと生きる二人の男の絆と、彼らを取り巻く人々との人間模様を描く、せつなくも苛烈な刹那の青春物語。

強くて深い愛に気づく

前編後編合わせて5時間の超大作!しかし時間を忘れてのめり込んで観終えた自分に気付いた時(私は前後編続けて観ました)、本作の凄さを実感しました。
数々の映画賞で主演男優賞に輝いた新次役・菅田将暉の演技、例に漏れず私も惚れこみました。特に後編のボクシングシーンが凄い!リングの上でケンカをしているようで、次第にボクシングになっていく。かと思いきや、別の試合ではボクシングをしているようで、ケンカになっていく…その姿から新次の孤独や愛情、憎しみ、哀しみ、様々な思いが全部溢れて突き刺さってくるようで、気が付いたらボロ泣きしていました。
さらにその上をいってしまうのではないかと思わせる、もう一人の主人公バリカン役、ヤン・イクチュンの存在感たるや…!ボクシングの減量だけでなく、吃音障害、日本語のセリフ、理容師の演技等々、その役作りの徹底ぶりは「ミスター演技設計」と監督から評されたほど。その上に複雑すぎる心情をこんなにも自然に表現されてしまうと、もう何も言えなくなってしまいます。
この二人の熱量に心揺さぶられた後、エンドロールで流れるBRAHMANの曲が、とても優しく聴こえるんです。それはきっと、本作が愛情で包まれているから。痛いけれど、強く深い愛の映画だと思います。

予告動画

アミューあつぎ映画.comシネマにて3/10(土)〜3/23(金)上映!

「あゝ、荒野 前編」|映画.comシネマ
「あゝ、荒野 後編」|映画.comシネマ

『犬猿』


©2018「犬猿」製作委員会

印刷会社の営業マンとして働く真面目で堅実な青年・金山和成の元に、強盗の罪で服役していた兄の卓司が刑期を終えて転がり込んでくる。和成は娑婆に出てきて早々やりたい放題の兄に頭を抱えるが、気性の激しい兄には文句のひとつも言えない。そんな和成に思いを寄せる幾野由利亜は、勤勉で家業の印刷工場をテキパキと切り盛りしながら、寝たきりの父の介護もしている“できる女”だが、見た目がよくない。一方、由利亜の妹・真子は美人だけど要領が悪く、頭も決して良くないが、顔やスタイルの良さから芸能活動もしていて、取引先の男性にも人気がある。
そんな相性の悪い2組の兄弟姉妹それぞれに変化が訪れ、それまで互いに対して抱えてきた複雑な感情がついに衝突を迎える…。

2018年、早くも強烈なオリジナル作を発見!

このポスターの4人の顔を見てください、凄い吸引力を持っていますよね。彼らの表情にぐぐぐーっと引き寄せられて、そのまま映画の中に入って行って、笑わされ泣かされ…期待以上にパワフル、でも力技だけではない内容に感情を振り回されて…いやぁ、疲れました笑。疲れたけどこの上ない満足感を得られた作品です。
私は三人姉妹の長女で、お笑いコンビ・ニッチェ江上敬子演じる姉・由利亜の気持ちに共感しまくりだったのですが(若干、境遇が似ているもので…)、共感だけに留まらない彼女の魅力を是非とも皆さんにも感じていただきたい!もともと女優志望だった江上さん、念願の映画主演でこれほどのハマり役というところに運命すら感じますが、その体当たりの演技には方々からも絶賛の嵐。コロコロ変わる表情とジュースを勢いよく噴き出す姿に、目が離せなくなること間違いなしです!
そして妹・筧美和子演じる真子のイヤらしさが、また良い揺さぶりをかけてくれます。一方で新井浩文と窪田正孝演じる金山兄弟は、さすがの演技派!コメディ要素溢れる本作で、まさかボロっと泣かされるとは思いもせず…やっぱりこの二人には唸らされました。
原作ありきでないと邦画の製作が難しくなっている昨今、自身のオリジナル脚本をこの素晴らしい役者を集めて映画化した監督の気合いを、スクリーンでしかと受け止めてください!

予告動画

全国の映画館にて絶賛上映中!

犬猿公式WEBサイト

アミューあつぎ映画.comシネマでお待ちしております

いかがでしたか?

今回ご紹介した3作品は、監督も役者も若手といえる方々が揃いました。敢えてそうしたわけではなく、最終的に気づいたのですが…笑。でもそれは嬉しい気づきでもありました。若手だからこそ描ける、表現できる勢いや繊細さというのは必ずあると思いますし、今回の3作品にはそんな「若手らしさ」が溢れていて、スクリーンから大きな刺激を放ってくれているからです。

だからこそ余計に、「ますます面白い」といえる作品たちだと感じます。監督にも役者たちにも、今後の活躍に期待が大きくかかりますものね!ぜひ、皆さんにもご注目いただけると嬉しいです。

それでは今回も、最後は大尊敬するお二人の映画偉人の言葉で…
映画って、本当に良いものですよね。
さよなら、さよなら、さよなら!

 

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noma ライター

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アミューあつぎ映画.comシネマ副支配人、プログラム・ディレクター。映画も、三度の飯もデザートもお酒も大好きです。厚木を拠点にした「地域共生型映画館」という新しいスタイルの映画館づくりに奔走中。

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