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海老名と厚木の“間” 対談 【近代化学株式会社×株式会社セルタン】

海老名と厚木でものづくりをする2社の女性社員達の対談です。

2021/02/08更新:2021/02/17by Kanahoshi編集部

2021年2月公開の記事です。お店、施設の最新情報をご確認の上おでかけください。
久しぶりの、海老名と厚木の“間”対談。
今回は、海老名と厚木でものづくりをする2社にご協力いただきました。
製品が異なっても変わらない。「ものづくり」の楽しさと葛藤。
ヘアケア化粧品メーカーの近代化学株式会社とソファーメーカーの株式会社セルタンによる女性社員の対談です。

 
実は私、いちごのハンドクリームを弊社社長のお姉さんからいただいたことがあって。
 
私ももらいました!
『これ、海老名産のイチゴを使ってるのよ~』って、女性社員に配ってくださったんですよ。
今回この対談のお話をいただいて「あ!あの時のハンドクリームだ!!」って。

 
ハンドクリームも作ってらっしゃるんですね。
そうですね。元々はサロン向けのヘアケア製品がメインだったんですけど、ここ最近 自社製品の販売も始めて。
 
自社製品は社内で企画したんですか?
はい。
海老名の名産がいちごなので、地場のものを使ったコスメを作れないかな…ってところから。
セルタンさんは自社製品の販売の他に、OEM的なこともしてるんですか? ※OEM:他社ブランドの製品を製造すること
 
OEMはやってないんですけど、自社で企画開発して製造販売と卸しをやっている感じです。
 
パンのクッション、すごく可愛いですよね!
 
わぁ!ありがとうございます〜。
食パンクッションは私たちが入社する前、6,7年前くらいに発売して。
当時うちがTwitterをやっていた頃に、ネットで話題になったおかげですごい売れたんです。

みんなが気持ちよく働ける職場に

 
うちの会社は女性スタッフがほとんどいないんですよ。
8割以上男性で。
そうなんですね。
うちは7割女性です。女性が多い。
セルタンさんは、採用は毎年されてるんですか?
本格的に新卒採用を始めたのは6,7年前ですかね。
そのあと少し間が空いて 私たちの2つ上くらいからまた徐々に採り始めて、今年の4月は3人入社しました。
採用のタイミングで少しずつ女性が入ってきてる感じです。
20代の女性としては私たちが初めてだね?
 
そうだね。
女性向け商品を強化したいっていう会社の意向があって、私たちの代は女性多めの採用だったね。
今までは製造重視だったけど、販売とか採用とか会社の宣伝をしていくっていうところで、女性を入れていきたいっていうのがあるんだと思います。

私たちは2人とも途中で産休育休をとってるので、実働は6年くらいなんです。
 
産休育休を取る方は多いですか?
私たちの時が5人くらい立て続けでしたね。
数ヶ月おきに続いたので 残っていた方にはご迷惑をおかけしたと思うんですけど、だからってダメな空気は全然なくて『いってらっしゃ〜い』『お帰りなさ〜い』って感じで。
 
帰ってこれる環境っていいですね。

 
女性社員や若手社員が増えて一番変わったことと言えば、トイレですね。
綺麗になった!
 
あ~わかる!
うちも最近綺麗になりました!
トイレ、大事ですよね!
入社した時は古い和式だったので、女性社員に限らず若手みんなで『トイレどうにかしよう!』ってなって。
あと、カーテンとかも綺麗に変わりました。
 
わかります!
うちも昭和の時代のカーテンを新しく変えました(笑)。
 
そういう小さなことでも、変えることでみんなが気持ちよく働けるのがいいですよね。
 
みんな 思っててもなかなか言い出さないんですよね…
 
今は毎年新しい子も入ってくるので、いろいろ聞いて変えていきたいよね。
毎年新入社員が入ってくるのっていいですね。
うちも研究開発部に新しい子が何人か入ってきて、和気あいあいと明るくなりました。
営業も比較的若い人が増えて、マイルドな雰囲気になりましたね。

女性スタッフの視点から生まれた商品たち

うちは、女性スタッフ間である程度こういうのがいいんじゃないかって決めて社長に提案したりするんです。
持ち歩きやすいものとか、手にとってもらいやすいもの、パッケージや材質も女性視点で選びたくて。

いちごバスタイムセットは パッケージがいちご型になってるんですよ。
パッと見ていちごってわかるように、デザインはデザイナーさんと一緒に考えて、設計はケース屋さんにイメージを伝えて。
わー!すごい!可愛い〜!
1本かと思ったら、シャンプー・トリートメント・ボディーソープの3つのボトルが合わさってる!

可愛い〜!! こういうボトルってバラバラだと持っていくのが大変だけど、これなら省スペースだし画期的!
 
画期的ですけど、これ、大変でしたよね…
社長と営業部長がこの形にしたいって言い出して(笑)、それを叶えるために何度も試作しました。
今までに無い形の容器だったので型から作って。
 
こだわりが詰まってるんですね!自分たちのアイディアが形になるのっていいですよね。
やっぱり形にできる楽しさっていうのはありますよね。
セルタンさんは商品企画もされているんですよね?
 
うちは、企画は社内全員誰でもできるシステムなんです。
 
えー!すごい!
女性社員だけで企画した 女子座椅子っていう製品があるんですけど、髪を結ぶ女性は結び目が背もたれに当たって邪魔だったりするので、設計を工夫したり。
男性にはわからない細かな気遣いは、女性社員のアイデアならではかなと思います。
男性社員からは『こんなところまでやってどうするの!?』とか言われて、でも私たちとしては『いや、ここはこだわりたいんです!』みたいな。
男性社員と女性社員のぶつかり合いも結構ありましたね。

学びながらマニュアルを作っていきたい

うちは数年前まで新卒採用が少なかったので、人材を育てる環境が整ってないというか、教科書がなかったんです。
ベテランの人にとっては当たり前の仕事が、新人の私たちにはわからないんですよ。だけど ベテランさんにしてみたら、私たちがなんでわからないのかさえわからない…みたいな。
そういうところをなくして 今後の標準にしていく取り組みは、部署の中で進めてますね。
マニュアル化第一号!みたいなね。私たちが学びながらマニュアルを作っていこうっていう。
これから入社してくる人たちのためにも頑張ろうっていう思いはありますね。

うちは、生産についてはマニュアル化されてますけど、事務はあんまりされてないかな。
中途しか採用していない会社なので、ある程度はできるだろうっていう。
私は事務で入ったので研究開発は未経験だったんですけど、周りに年上の方が多かったので、わからないところは聞けば優しく教えてくれましたね。
自分からどんどん「教えてください」って言って。
「わからない」とか「教えて」っていうとみんないろいろ教えてくれて助けてくれるけど、何も聞かないでいると本当にそのまま…放置されちゃうよね(笑)。
うちも、教えてもらうのを待ってるスタンスじゃなくて自分からいこうねっっていう社風なので、採用の段階で 自分から動ける人間かどうかを見極めているかもしれないです。待ちの姿勢じゃ評価されないですね。
 
やっぱりわからないことはこちらから質問していく姿勢が大事ですよね。

ものづくりをする中での やりがいと苦悩

私、”売る難しさ”っていうの今をすごく感じてて。
作るのは がむしゃらにやればなんとかできるんですけど、売るのが本当に難しいなって。
会社としてずっと受託製造をやってきて お客さんから依頼されて作るっていう経験には長けているんですけど、販売についてはまだまだ始まったばっかりなので。
前例がないところからのスタートだから、”売る” ”知ってもらう”っていうところで壁にぶつかってるっていうか…。

ものづくりをする上で、多くの人に手に取ってもらえる嬉しさはもちろんあるんですけど、裏を返せば それだけ多くの視点があって その数だけ正解がある… でも現実は、こっちを取ればこっちは実現しないっていうところもたくさんあって。
製造・量産となると、見栄えがいいだけで製造過程で時間がかかりすぎるものはダメだし、とか。
それぞれのベストなバランスを判断をしていかなきゃいけないなって 日々奮闘しています。
うちも似たところがありますね。
お客様の希望通りに作るとコストが合わない、コストに合わせて作ると希望と違う…。行ったり来たりのやりとりになってしまうこともあります。
何を一番重要視したいのかを汲み取らなきゃいけない難しさはありますね。
そうだね。自社製品でも、どの意見を取り入れるのか。
自社製品は 社内で試していろんな意見をもらえるんですけど、作った製品にはみんなそれぞれこだわりを持ってるから、やっぱり全員一致は難しいんですよね…
 
そういう点で、作り手は大変ですよね。
 
ホント!「じゃあどうしたらいいの!?」っていつも悩んで、挙句 納期に追われる…っていう(笑)。
 
お互い頑張りましょうね(笑)。
 
はい!
頑張りましょう(笑)。

これからの私たち

私個人の意見としては、製品にもっとプライドを持っていきたいなって思います。
量産でも もっと質を上げていきたい。
あと、企画の段階からいい商品を作りたいですね。
企画当初のコンセプトが、途中いろんな意見を吸い取っていくうちに違う方向に行っていたりすることがあるので、最後までブレずに進めていける環境にしていきたい。そのために頑張っていきたいと思います。
そうですね、「セルタンはこういうものを作ってます!」っていう軸をもっとしっかりさせて、セルタンの名前をもっとたくさんの人に知ってもらいたいかな。
売れて欲しいなって思います。

 
うちはもう「自社製品を売る!」って決めたんで…!
そう!うちも知名度を上げたい。うちの社で作っている商品の売り上げを上げていきたいなって思います。
自社製品のラインナップも増やしていく予定なんです、某有名なコスメティックブランドを目指して!(笑)
壮大な夢を…定年までに(笑)。
いいですね!セルタンも有名なインテリアブランドを仮想ライバルとして掲げています!
 
いやいや、大事ですよ、言葉にすることで叶えていくっていうのは。
 
うちの社長よく言ってますもんね「自社ブランドで何億!」とかって。なので、その目標に向かって…!
 
社員みんなが同じ気持ちになっていけたら最高ですよね!
株式会社セルタン
厚木にある老舗ソファーメーカー。ソファ・座椅子・ビーズクッションなどの企画デザインから製造販売まで全て自社で行なっている。
【セルタン】公式企業サイト | 【セルタン】公式通販サイト
近代化学株式会社
海老名にあるヘアケア化粧品の開発製造メーカー。自社製品にも力を入れており、海老名産のいちごを使用した化粧品などを開発している。
ヘアケア工房 – 近代化学株式会社 | EOF ネットショップ
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