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火曜日はパン曜日~国産小麦と天然酵母の自家製パン工房〝る・ぷらん〟

2018/04/30
グルメ
パン・スイーツ

はじめまして。
今回からnomaライターに加わりました本が大好き、satoと申します。
厚木と海老名の魅力を、物語のように楽しく伝えたいと思います。
処女作は素敵なパン屋さんのおはなしです。
それでは、しばしの間物語にお付き合いくださいませ…。

「今日の天気は晴れ。降水確率は0%でしょう。」
どのチャンネルのお天気コーナーも同じことを伝えている。
「これはどこかでかけるしかないな。」
洗濯物を干しながら、雲一つない青い空を見上げて朝の空気を吸い込んだ。
とは思ったもののどこへでかけよう。外へ飛び出したはいいものの行き先が見つからず、とりあえずブラブラと歩き出した。
「ん?」

すると向こうに〝天然酵母パン〟というのぼりがパタパタとはためいている。
「こんな住宅街にパン屋さん?」
まるで、のぼりがおいでおいでと手招きしているみたいだ。
「しかも天然酵母?!」
ついつい足早になる。

天然酵母パン る・ぷらん

ガラス戸を覗いてみると、手作り感満載のおいしそうなパンが並んでいる。

「誰かのお家に遊びに来たみたい。」
私はそっと戸を開けた。

店名「る・ぷらん」は〝春〟をイメージしている。
フランス語で〝春〟は〝プランタン〟。
材料に春小麦を使用している意味も込めている。

店主の中與根さんは、横浜に住んでいた時、パン作りが好きでパン教室に通っていた。
教室では先生になれる資格も取った。その後、引っ越して来た座間市で感じたことがあった。
「パン屋さんがないなと思ったんです。横浜にはおいしいパンを売っているパン屋さんがたくさんあったんですが…。」
「ないなら自分で作ろう」
と作り始め、時には友人に配ったりもした。
そして「先生よりもパン屋さんがいい」と、現在の場所で「る・ぷらん」を開店させた。

初めは週5日営業していたが、ずっと店から離れられず、身動きがとれない大変さを感じた。
その後、一時休業をしたり、また再オープンをしたり、卸しを始めたり、色々と試行錯誤。
お子さんが小さかった時はやめようかと考えたこともあった。
しかし、「週1日だけでも…」というお客様からの声もあり、現在のスタイルに落ち着いている。

自宅の一部をお店にしているのでよその人が入ることへの抵抗もあるし、規模的にも誰かを雇うほどでもない。
なので全て一人で行っている。
2008年にオープンしたので、今年でちょうど10年になる。
卸しを始めたのは2011年頃からだそうだ。

酵母は、厳選された穀物100%とまろやかな水で培養した「あこ酵母」を使用。
発酵中に麹菌、乳酸菌などの働きで旨み成分が生まれ、味わい豊かなパンが焼き上がる。
教室へ通っていた時はイーストで作っていたが、一度天然酵母で作ってみたところ、「こんなに違うの?!」とそのおいしさに驚いたのだそうだ。
以来、天然酵母にこだわっている。

る・ぷらんのおすすめ

おすすめはと伺ったが、お客様それぞれ好みが分かれるのだそうだ。
しかし、人気があるのは食パン。

予約をされる方もたくさんいる。
また、全粒粉食パンは卸している〝海老名グリーンセンター〟や〝わいわい市寒川店〟の職員さんの間でも大人気なのだそうだ。
他にはクルミパンやメロンパン、チョココロネ、クリームパン、フランクロール、ピッツァなど。あんパンは通常のつぶあんの他にも渋皮マロン、かぼちゃ、さくさくリンゴなど季節ものを含め5種類くらいある。


あんにもこだわりがある。大阪にある昭和15年創業のあんこの老舗「茜丸さん」のものを使用。
売られているおやつ系のパンは甘すぎると感じていたため、甘すぎない低糖度のあんこを探していたところ巡りあった。
また、価格もリーズナブルでとても嬉しい。
他のお店と価格の違いに驚くこともあるそうだが、る・ぷらんさんではずっと変わらない。
「うちは私一人なのでなんでもありなんです(笑)都合が合わなくて買いに来られないご近所さんにお届けしたりすることもあります。
全粒粉食パンをはじめ、お客様の声から商品になったパンもあります。そんな時はお客様に対してありがたいなと思います。
それからお客様と色々おしゃべりするのが楽しいです。
いずれは何か違うこともやりたいなとか、他のパンもやってみたいなとかありますが、しばらくはこのスタイルですね。」
と中與根さんは笑顔で話す。
パンはもちろん、きっと中與根さんとのおしゃべりを楽しみに来る方も少なくないはずだ。
「お客様といっしょに」
そんな中與根さんの人柄があふれた、心あたたまるパン屋さんだ。

「ありがとうございました。」
つぶあんパンと米粉のマドレーヌを買ってお店をあとにした。

パンはまだほんのりあたたかい。
待ちきれずに袋を開けてみる。
「あぁ、いい香り…」
自然と頬がゆるみ、言葉がこぼれた。
そして、たまらずひと口パクつく。
もちもちとしていて、噛んでいると小麦の甘さが口の中に広がる。
あんこは粒がしっかりしていて、さっぱりとしている。
パンそのものの甘さを壊さない、ちょうどよい甘さだ。
「これならいくつでも食べられそう…」
米粉のマドレーヌも甘さひかえめ。
バターもひかえめ。
パサパサもせず、ベタベタもせず、ほどよいしっとり感が素材の味を感じさせてくれる優しいマドレーヌだ。

火曜日はパン曜日


袋を開けた瞬間にふわっと香る小麦の香り…
いつまでも噛んでいたい、もっちりとしたパン…
小豆の存在感がしっかり残った、さっぱり優しいあんこ…
ひと口ほおばればほっと肩の力が抜ける…
ほっこり優しい気持ちになれる…
そんなパン屋さんだ。
また会いに行こう。
パンに…
そして中與根さんに…
これからは火曜日が待ち遠しい。

【国産小麦と天然酵母の自家製パン工房 る・ぷらん】
住所:海老名市東柏ヶ谷5-6-28
TEL:046-235-5173
営業日:毎週火曜日10時〜
※JAさがみ海老名グリーンセンターとわいわい市寒川店にも出店しています。

noma ライター

sato

sato

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