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海老名と厚木の“間” 対談 【美術作家 安田葉×TINY CAMP VILLAGEオーナー中村達哉】

2018/10/22
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撮影協力:TINY CAMP VILLAGE

安田 (以下 安):薪の焼ける匂い良いですね~。あ、安田と申します。

中村 (以下 中):あ、中村です。よろしくお願いします。

二人:はははは(照笑)

つくる事の原点・原動力。

安:まず、中村さんからどうぞ。

中:え!あ、僕からですか。わかりました。笑
僕は、キャンプ場のオーナーと移動販売車でカキ氷を売ってる香裡屋、縄文氣功っていうセラピスト的な三つの仕事をしているんですけど、それぞれコンセプトを持っていて。

安:ほうほう。

中:「人と人がつながる事」と「目の前の素敵な光景が広がっていく」裏テーマで「心が緩む事」これら三つをテーマ、コンセプトにしていて。
キャンプ場は宿泊業だし、香裡屋は飲食業だし、氣功はセラピストだし人との距離感だったり業種自体も違うんですけど。

安:うん、それぞれ相手が違いますもんね。

中:そうそう、全く違います。
ただ、コンセプトはズレていなくて。
そのコンセプトを実現するための一つのカタチがキャンプ場であり、カキ氷屋でありっていう感覚で仕事をしているんですよ。

安:それぞれを選んだきっかけは何ですか?

中:色々あるんですけど学生時代、旅が好きで。海外、中でも東南アジアとかに行ったりして。
その中で人との繋がりを感じたり幸福論じゃないですけど幸せってなんなのか。
生き方ってどういう風にしたらいいのかを考えたり。その旅の経験が今にすごく繋がっているかなと思います。
あと東日本大震災の時、ミャンマーにいて。日本が停電しているって母から連絡が入るんですけど、こっちは(ミャンマー)毎日停電してるし!みたいな。

安:3.11の時ミャンマーにいたんですか!

中:そうです。
情報もなかなか入らない中でしたけど、客観的に日本を観れるきっかけになったんです。
帰国後も大学のプロジェクトで復興支援とかしながら、塩水がかかってしまっただけで家具が全てゴミになってしまうのを目の当たりにして「何が大切なんだろう」ってより考えるきっかけになりました。

安:ちょうど進路を決めようとしている時に、そういう事が起こって色んな事が重なってこの道を選んだんですね。

中:そうですね。まぁ、就職は一応してるんですけど。半年だけ。笑

安:え?
どこにですか?

中:飲食です。元々飲食がやりたかったんですよ。調理師免許も持っていて。

安:わぁ。何でもできるんですね。生きていく上で必要なものを全て持ってる。笑
興味があるものをちゃんと手に職をつけてやっているのが素晴らしいです。
しかも好きな事だからね。

中:そうですね。すごい事だとは思ってないんですけど。笑
僕の話はこれくらいにして…。

安:いやいやもっと聴きたいですよ。笑

中:安田さんは何故ものづくりに目覚めて、それを仕事にしようと思ったんですか?

安:私は「芸術」には言葉や時代を超えて人に伝わっていく力があると思っているんですね。

中:うんうん。

安:その人の作ってきたものを見たり感じたりする事によって
よりコミュニケーションが深まるというか、そういう可能性を芸術に感じていて。

中:ほうほう。

安:日本各地の職人さんを訪ねて、実際作っているところを見せてもらったりして、それを取り入れながら自分で作品を作ってみたりっていう活動がベースにあって。それで色々各地を見に行って、自分の生まれ育った場所っていうのを顧みた時に、さらに深く地元の事を知りたいと思って地元で活動するようになったんです。

中:小さい頃から芸術には触れてきた?

安:そうですね。芸術というか、とにかく手を動かして作ることが好きな子供でした。
描くこと、形を作ること、写真や映像を撮ることとか。
目に映るものをなんでも自分で作ってみたい。

中:えー!小学生とか?もっと小さい時から?

安:そう。
物心ついた頃からですね。大学の時も学部が絵画や、工芸、彫刻などの専門に分かれるのですが、私は他の学部の授業を取ってなんでもやってみてました。

中:なるほど、好きすぎて。笑

やりたい事は全部やりたい。


安:私はやりたい事が多すぎて選べなくて。
中村さんのいろんな事を総合的にやれている環境ってすごくいいなと思います。

中:やぁ~。わかります。僕も同じ感覚かも。
全部やりたい。

二人:全部やりたい。笑

中:一個じゃないんですよね。
なんか網羅したいというかね。

安:でも…私どれも全部プロフェッショナルって言えなくて。

中:あっ!全く同じ。僕も良く周りから言われるんです。笑

安:何をやってるかわからないって言われるんですが、色々な事を同時にやっていくと、刺激が多いから今まで気にしなかったことにも気がつく事が多くて。
それが面白いから何でもやりたくなっちゃうんです。

中:なるほどね。

安:現実的に生きていく上でお金に変えて次につなげなきゃいけないっていうのがあるので、どうしても受注製作とかこうしてくださいっていう依頼に合わせたものもやらなきゃいけないんですけど、それをうまく自分のやりたい事と繋げながらやっていくってところ…元気なうちはなんとかやっていきたい。笑

中:はははは。元気なうちは。笑

安:だっていつ死ぬかわかんないじゃん?笑

中:確かに。

安:だっていつ何が起こるかわからないじゃないですか。

中:はははは。めっちゃ言われます。めっちゃ怒られます。
親戚も含め甘ったれて仕事してんじゃねーって言われます。

安:好きなことやって生きていけると思ってんの?
後で泣く目にあうぞ!みたいな。
現実的に考えたら恐ろしくなるけど、なんとかしていくしかない。

色々な経験から今に辿り着けた。


中:安田さん今まで生きてきた中で一番辛かった経験はなんですか?

安:大学を出て、社会で働くという事を経験して、辛くて苦しくて、理不尽な事もいっぱいあって。
そうではない生き方を自分で見つけなければと強く思ったというか、一般社会での経験や働く上での我慢や辛さを知ったからこそ、大変な道だとわかっていても自分が好きなことを追求したいという思いが強くあるのかなと思います。

中:僕もまったく同じで。
僕も就職活動とか就職してる時は、自分に嘘をついている感覚がずっとあって。
本当に辛かったです。就職全然受かんなかったですもん。
顔に出てたんでしょうね、面接でよく言われましたもん。「君すぐ辞めるでしょ?」みたいな。
バレます?みたいな。笑

安:本当にやりたくて志望してないでしょ?みたいな。笑

中:そうです、そうです。
スーツ着て働きたくないとか、感覚的に自分の生き方と反してるなっていうのが自分で分った上で、
でもまず親も安心させたかったし社会勉強でもあるから。

安:安定した道をね。

中:そーうですね。

安:それが安定してるか分かんないですけどね。
でも、就職して働かれていた経験は大事だと思います。

今後の未来像。


中:個人経営の店があまり元気が無い現状なので、それぞれ個々の想いを持って一緒に頑張っている人たちが増えていったら嬉しいなって思います。本厚木の駅前もチェーン店とか多くなっているし…。

安:いろんな人と繋がって一緒にやっていきたいですよね。
やりたいと思ってる方はたくさんいると思うんですよね。
だけど直接知る事が難しいので、とにかく情報をいろんな形で発信してみる事が大切だと思っています。
ちょっと動くだけですごく世界が変わるんですよね。

中:本当にね。

安:私は海老名で活動を始めて、今まで近くにいながら出会うことの無かった沢山の素晴らしい方々と出会うことができました。
人と人の直接の繋がりが一番大切だなとしみじみ思います。

中:本当、その通りだと思います。

安:中村さんはこれからこのキャンプ場をどうしていきたいですか?

中:大きく設備をどうこうしていくっていうよりは場作りだったりキッカケ作りを増やして行きたいですね。
ゲストハウス感覚というかリビングスペースというか、そこに集まって会話が産まれるみたいな。
安田さんはどうですか?

安:私は海老名に住んでいながらまだまだ知らない事だらけなので、ものづくりの先輩方を直接訪ねたりして学んでいきたいですね。
海老名と厚木って都心にも近くて自然もあって、とても恵まれた場所だなと思うんです。
もっと都会から離れていたり、自然環境が過酷な土地でも、たくさんの人が普通に楽しく暮らしていて、いろんな所で芸術活動をしている方から学びながら、地元での活動につなげていけたらいいなと思ってます。
なんでも知った気にならないで、直接学んで、実際に手を動かして作品を作って行きたいです。
あと個人的に作品を自然の中で作ってみたいっていうのがあります。

中:おおおお!

安:昔から遊牧民に憧れがあって、
既製品を使わないで身近な素材や自然のもので簡易的なテントを作って、
自然の中で何泊かしてみたいなと思っています。

中:ぜひぜひ、林の隙間とかで!

安:このキャンプ場は自然と一体化してて、小川もあるしバッチリですね!
冬はハードすぎるので秋頃にぜひやらせていただきたいです。

中:いい感じでやってください!

安田葉
海老名市出身在住
2014年に東京藝術大学大学院を修了し、映像や立体作品を作りながら国内外で作品を発表。生物の営みや、古くから続く人の歴史や異なる文化の出会いと交流などの事柄に強く関心を持ちながら、各地で出会う人や出来事に着想を得て作品を製作している。
YO YASUDA
中村達哉
厚木市在住
厚木市七沢にある祖父の土地に縁を感じ、その土地を自ら手作りでキャンプ場にし開業。
今年3月に1周年を迎えた。キャンプ場のオーナーの他、縄文氣功師、カキ氷移動販売車 香裡屋と三足のわらじを履いている。
TINY CAMP VILLAGE

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